どうもこんにちは。
2024年もあと僅か、昨年は嵐のような年でしたが、今年は特段大きな荒れもなく新年を迎えられそうです。
少し気が早いでしょうか。
さて、今回からピットロードの夕雲型駆逐艦「早霜」を製作していきます。
キット内容の確認
ランナーは3枚、パーツは少なめで入門向きでしょうか。
キットの初出は1995年ということで、比較的新しい部類です。
兵装はモッタリとした大きめで旧態依然としていますが、船体は反りやヒケ等もなく、ベースとしては良好なモノかと思います。
後年追加されたDランナー、フルハル用の艦底パーツは陽炎型と共通のようです。
夕雲型は陽炎型より全長が長いハズですが、艦底を共通にしてしまうと言うことは上回りも・・・。
せっかくの夕雲型なので、手を入れてなんとかしたいですね。
さらに後年の製品では、ネオイクイップメントシリーズの「日本海軍 新・艦船装備セット5」がそのまま封入されています。
説明書もこちらのパーツを使いなさいと改訂されているので、指示通り組んでもシャキッとした模型が出来上がるかと思います。
そしてデカールが1枚。
夕雲型は舷側表記が廃止された後に就役しているので、艦名デカールは本来不要ですが、コレクター向けに収録されています。
フォントが実物とやや異なるのですが、他社製品と比べるとピットロード製が一番似ているかと思います。
そもそも実物は手書きなので、位置やサイズがバラバラだったりします。
個人的には薄雲の寸詰まりガチャガチャ感が好きです。
今回は使用しないので、完全なる余談でした。
製作に使用するパーツ
今回、ご依頼者様からお預かりしたパーツは以下の通りとなります。
【ファインモールド】
【ファイブスターモデル】
【アドラーズネスト】
【アクリめいと】
- MK-700LC1 艦船模型ケース(フルハル)
他、舷窓の掘り直し、旗竿・砲塔の空中線支柱・リノリウム抑え金具の金属線置換等の工作を行っていきます。
メインとなるファイブスターモデル・エッチングパーツセットの説明書です。(クリックorタップで拡大出来ます。)
製品は「夕雲型駆逐艦 後期型」とされていますが、後櫓が足幅の広い前期型になってしまっているので、作り直す必要があります。
砲や魚雷発射管の防楯は旧パーツを元に設計されているので、新パーツに合うかどうかは未知数。
舷外電路は浦賀船渠のタイプ(D2,D3,D17)が指定されていますが、舞鶴前期?タイプ(D13,D15)も用意されています。
「早霜」は舞鶴後期とされ、艦首側は浦賀船渠と同じで良いのですが、艦尾の一段下がる部分(D17)が無く、一直線に伸びるタイプです。
他、前部スキッドビームA22(A21)⇔C2(C1)は前者を、後部スキッドビームB9⇔B38は後者を使用します。(変更があるかもしれません)
アクリルケースへの取付け加工
艦を固定するため、アクリルケースの土台に穴を開けました。
アクリルは非常に割れやすく、専門職をしておられたお客様曰く「ガラスより割れやすい」との事でした。
そのためかなり気を使って穴を開けていく必要があります。
Φ0.5→Φ0.8→Φ1.5→Φ2.2→Φ3.0と少しずつ削るように開口、裏側はボルトの頭が飛び出ないよう、面取りを行っています。
金属脚に付属のボルトでは長すぎたので、ちょっぴりカットしていますの図。
安い電工ペンチですが、ここぞと言うところで活躍してくれる頼れる相棒です。
今回はケース底面から船底パーツ上面まで約23mm、付属のボルトが25mmなので、2mmほどカットしました。
艦底パーツにはナットを固定していくのですが、写真を撮り忘れてしまいました。
いつも通り、ゴム系接着剤で接着し、プラ片で回り止めを付けた後にエポキシパテで固めています。
またしても余談ですが、やはり金属削り出しは美しいです。
右は3Dプリンタ製で、ただ金色に塗っただけのものですが、深みが違いますね。
船体の気になるところ
ナットを固定しているパテが硬化した後、船体を張り合わせていきます。
別パーツとなっている錨甲板も一緒に接着してしまいます。
先端に謎の盛り上がりがふたつ。
フェアリーダーと呼ぶには少し前衛的すぎるので、エッチングパーツにおまけとして付いているものに置き換えてしまいましょう。
おしりは残念ながら垂直にストンと落ちています。
陽炎型もそうですが、夕雲型は特に強めに切り下げられているので、船体の延長も兼ねてプラ板とパテを盛って整形していきましょう。
合わせ消し
艦橋基部・煙突・探照灯の下につく構造物です。
夕雲型のうち、後期型に属する「早霜」は、艦橋基部に電探室が内蔵されたタイプで、艦橋基部が少し拡張されています。
しかしキットは前期型の形状が再現されており、後期型とするには短いため、0.5mmのプラ板を挟んで後方に延長しています。
基部前面・側面のジャッキステーはエッチングパーツがあるので削り落とし、モンキーラッタルはキットのモールドを活かしていきます。
煙突他はモナカ構造となっているので、張り合わせた後にパテで合わせ目を消します。
煙突にはおそらくジャッキステーかと思われるモールドがありますが、一番上のモノはもはや羽。
実物はこのような羽は無いようなので、今後削除します。
船体、二度目のパテ盛りの様子。
「盛る」というよりは「なする」感じで、押し付けて練り込んでいかないと合わせ目は消えません。
艦首側面には大きめのヒケがあるので、何度もパテうちして面を整えていきます。
艦尾には0.5mmのプラ板を貼り付けてパテを山盛りに。
プロペラシャフトブラケットも謎の解釈で設計されているので、パテを盛り。
プロペラシャフトが艦内に引き込まれる部分、エディプレートと言うそうなのですが、明らかに形状がおかしいのでここにもパテを盛っています。
参考図書としてこちらの本を見ながら製作しています。
どちらとも姉妹艦の識別点、各社製品の長所・短所、「よりそれらしく見せるにはどうするか」のポイントが書いてあり、基本を詰めるには持って来いの逸品です。
艦尾の延長や艦橋基部の拡張もこれら本を参考にしています。
ただし、ビジュアルガイドの初版が2012年、総ざらいの初版が2014年とやや古めで、時期的にピットロードの島風、ヤマシタホビーの特型・睦月型、ハセガワの朝潮型・夕雲型リニューアル版は載っていません。
前者は増補改訂版が出ているので、収録されているとは思いますが。
最後の最後にまたしても余談でした。
ということで、今回はここまで。
では。
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