どうもこんにちは。
突然の気候変化に、中の人の体がついて行っておりません。
▶体大事にだぜ(クロスハンター)
今回は夕張の塗装編です。
長くなったので目次を載せておきます。
11m内火艇について

今回のご依頼では、11m内火艇を3Dプリントパーツに置き換える指示を頂いております。
ファイブスターモデル FS710360の内容品は上の画像の通りですが、レジンパーツは2セット入っている内の1セットだけ写しています。

3Dプリンタの欠点である積層痕は、ほぼ・・・と言うよりは全く見られません。
重箱の隅をつつく事を言うと、コックピット正面には少し見られますが、それだけです。
上下に入っているスジは特性上 避けられないものですが、塗装すれば見えなくなりますから問題はありません。
切り離しはキールとコックピットに造形されているサポートをカットし、真横に倒す様に押し出すとサクッと外せます。
このあたりも最適化されていますね。

寄りすぎてボヤっとしています。
全長2cm未満ですから、いかに精巧なのかが分かるかと思います。
ボヤッとしているので分からないかも知れません。
手すりやキャビンの骨組みをエッチングパーツで表現する時代は終わりましたね。
付属のエッチングパーツには旗竿・アンカー・艦号標灯・マスト・架台・ターンバックル・推進軸(プロペラ)が含まれています。
アンカー以外は特に苦労すること無く組み立てられることでしょう。
格納時、マストや旗竿は基本的に収納しているハズですが、好みによって付けても良いかも知れません。
最終の仮組み

マスト他、引っ掛けやすいパーツもくっつけていよいよ臨戦態勢です。
夕張独特のスタイルが美しいです。

軽巡洋艦では唯一の集合煙突がカッコいいですね。
煙突上部のジャッキステー?キャットウォーク?は左右で分割してしまうと作業が楽です。

この後、機銃座が幾度となく爆散したのはまた別のお話。
艦底色の塗装

艦底をC29 艦底色で塗装後、シャインレッドを少しばかり添加した色をハイライトとして吹付け。
艦底色だけだとのっぺりしてしまうので、面倒でもハイライトは付けたほうが良いです。
ちょうどビルジキール下、串と串の間に残っている赤がハイライトカラーです。
マスキング

艦船模型で一番の障壁であるマスキングをしました。
全体で大体4時間くらい、遅いのか早いのか。
最近ではリノリウム甲板を別パーツにしてあるキットもありますが、ピットロードは硬派なのでこの作業が必要です。
もっとも、手すりをつけるなり何なりすると、それなりにマスキングは必要でしょうが。

前から覗いて直線が出ているか、左右でバラツキが無いかを確認します。
実物は弓なり塗られていますが、模型ではやはり真っすぐであってほしいですね。

おしりから。
こちらは直線もそうですが、左右で水平になっているかを特に確認します。
斜めになっていると格好悪いですから、何度もマスキングテープを貼り直して調整します。
旗竿と手すりが斜めになっていますが、塗装後に付け直しました。
舷窓の掘り直し

まさかのこのタイミングで船体の工作に戻ります。
舷窓をΦ0.3のドリルで掘り直しました。
真ん中の2つ連なっているものが原型、より右側が掘り直した後です。
元々が深く掘られていますから、あまり変わりませんね。
本塗装

キットの指定であるC32 軍艦色(2)で塗装しました。
ハイライト部分にはC31軍艦色(1)をほんの少し混ぜた色を吹いています。
技法としてはカラーモジュレーションになるのでしょうか。
今回、クライアントの指示により、甲板のメッキ風塗装は行っていません。
メーカーの方には申し訳ありませんが、指示がなくても行っていないと思います。

マスキングを剥がしていきます。
貼るは数時間、剥がすは数分。儚いものです。

もう満足しました。
粗が出る前に帰っていいですか、の気持ちです。

しかしながら、そうは問屋がおろさないので全て剥がしました。
一部剥がし忘れがあるのですが、バレないのでセーフです。

細かいパーツ軍も塗って、記念撮影です。
使用した塗料は以下の通りです。
- GX210 ブルーゴールド ・・・スクリューや菊花紋章
- C3 レッド ・・・舷灯、舵柄信号標、艦尾信号灯、救命浮標など
- C21 ミドルストーン ・・・艦載艇の木製部分
- C66 デイトナグリーン ・・・舷灯、舵柄信号標、艦尾信号灯
- C69 グランプリホワイト ・・・艦載艇の防舷材や縁、砲身のキャンバスカバー、艦尾信号灯、救命浮標など

救命浮標は今回も凹部に白を吹き付けた後、凸部に赤を筆塗りで載せています。
右側に見える見張り所下の甲板もリノリウム色指定となっています。
ここにも手すりが付くのですが、手すりをつけた後だとべらぼうに塗装が難しくなります。
なので軍艦色で塗装後、リノリウム色を筆塗りし、最後に手すりを取り付けて完了とします。
ウォッシング

あれほどあったパーツ軍が、数えられる程に減りました。
この時点でウォッシングを行います。

使用するのは自家製の黒茶色。
タミヤエナメルのジャーマングレー・フラットブラウン・スミ入れ塗料を適当に混ぜ、溶剤で20倍くらいに希釈したものです。
うなぎのタレよろしく継ぎ足しに継ぎ足しを行っているので、正確な比率は分かりません。
とにかくシャバシャバにしておくと、本当の隅っこにしか色が残らないので、1/1スケールの”シミ”が出来たり、塗り残しが発生したりすることを防げます。
また、塗料を置くだけではなく、前後方向・上下方向に塗り拡げることで、シミを防ぎます。
グライプバンドの取り付け

それなりに組み立てられたら、細かい部分に進みます。
クライアントより、グライプバンドをつけるようリクエストを頂いていましたので、それを表現していきます。
0.4mmほどに切り出した紙(レシート)をダビッドの上端に接着し、ボートの中ほどでクロスするように調整。
接着剤が硬化したら、適度な長さに切りそろえて、下側に巻き込んで行きます。

ほぼほぼ、組み上がりました。
組立時はいくつか注意が必要で、まず艦橋ブロックは1番砲の後に取り付けないと干渉して収まりません。(ソロモン海戦時では4番砲も注意)
艦載艇付近も、①ダビッド・②艦載艇・③手すり の順番に取り付けないと干渉してしまいます。
手すりくらいは取り外してやり直せば良いだけですが。
他、右舷の内火ランチはダビッドの滑車と干渉しますので、予め切り取っておくと吉でしょう。

塗装図に指示はありませんが、夕張の後部マストには艦尾信号灯の付く部分あたりに白帯が入ります。
これは舵柄信号標の基準位置を示す印で、他の艦にもすべて付いている(ハズの)ものです。

ボックスアートにもその存在が見られますので、その通りに。

今回、クライアントのリクエストにより、単装機銃は防楯ナシ、各艦載艇にはグライプバンドありとしています。
艦載艇に固定用の架台があるためか、実物の写真でグライプバンドを装着しているものが見当たりませんでした。
開戦前の写真を見る限り、なので、戦火の中ではどうなのかは不明です。
というところで、今回はここまで。
次回、完成編となる予定です。
では。
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