行先表示器の簡易指令機を作った話

【製作記】

今回は昔話になりまして、行先表示器(巻取り機)の簡易司令機を作ったお話です。

行先表示器とはなんぞや、と大多数の方がなると思いますが、電車の行き先を書いているアレです。

コレです。

バスの前面や背面にも付いてたりしますね。

さらに簡易指令機とはなんぞや、とさらに大多数の方がなるかと思いますが、簡単に言うとコントローラーです。

今回のハナシはかなりディープな内容になりますが「こんな依頼も受けてるんだなァ」くらいに思って頂ければ。

1/1スケールというか実物、電気工作というよりほぼ電気工事で、プラモデルでも模型でもありませんが、備忘録的なモノとして書いておきます。

行先表示器(キハ66系)の仕様

お送り頂いたのはキハ66系気動車に取り付けられていたモノ。

モノによっては10万円近くする相当な価値のあるパーツです。

キハ66系に搭載されているものは14系・24系客車に取り付けられているモノと同じ仕様・・・らしいです。

細かな違いはあるようですが。

このタイプはモーターがDC24V駆動・蛍光灯はAC100Vと、直流も交流も必要な上に電圧まで違うという厄介者。

コンバータが付いてるのでAC100Vだけでも動作・点灯可能なハズですが、回路図が無いので詳細不明。

逆にAC100V駆動のモーターが使用されていて、AC100Vだけで完結するタイプもあるようです。

電気は火の元になるので、色々と十分に確認した上で工作しましょう。

あると便利なカードです。

御託はここまで、詳しく見ていきましょう。

名前はその名の通り「行先表示器」で、小糸工業株式会社製だそうです。

自動車のライトとかでお世話になっている方も多いんじゃないでしょうか。

モーター上面には仕様が書いてあります。

このモーターはD.C.24Vと表記されている通り、Direct Current、直流24Vのモーターです。

交流用だとA.C.100Vと書かれているはずです。

なにやらメカメカしい制御部、結局最後までよく分かりませんでした。

クリアケースに覆われた物がAC/DCコンバータ、左にある樹脂まみれのものは分かりません。

右の黒い箱もイマイチよく分かりませんでした。

いかがでしたかブログ化しかけましたが、まだ始まっていません。

最終的にこれらの機器は、端子台を除いて使用していませんので、モノが分からなくても問題ありません。

詳しく見ていくとは一体・・・!?

端子台にAC100Vが入り、一方はそのまま蛍光灯へ。

もう一方はコンバータでDC24Vに変換されて制御器を経由し、モーターへ・・・のはず。

ちなみに、熊本県多良木町にて保存されている車両ではゴッソリ撤去されていました。

蛍光灯照らすだけならDC24V要らないもんね・・・。

もしかしたら現役の頃からこの状態かも知れませんが。

作ったもの

全てを置き去りにして簡易指令機本体、完成形です。

テスターで銅線の役割を一本一本調べつつ、いい感じに組み上げました。

使用されている形式によってコネクタの番号と銅線の行き先が異なっているようですので、真似される方はお手持ちの表示器を調べ上げて下さい。

少なくともキハ66系に搭載されている機体は、103系や113系等のものとは違うようです。

スイッチは右が主電源、中央のトグルスイッチが巻取り方向指定、左が動作スイッチです。

主電源を入れ、巻取り方向を指定し、動作スイッチを押せば指定方向にぐるぐる回ります。

今回は予算の都合上で省きましたが、本体のリレーやらスイッチからの信号線がコネクタまで来ているので、ちゃんと読み取れるような作りにすれば全自動化も可能です。

中身は企業秘密です。

汚くて見せられないだけとも言います。

本体と接続するコネクタはサンワコネクター「SCK-2508-P」を使用しました。

ピッタリガッチリ接続出来ます。

他、蛍光灯用にスイッチ付きコードを作りました。

蛍光灯は端子を入れ替える事で、DC24Vを経由することなくAC100V化可能です。

「蛍光灯を光らせるだけ」であれば、端子を入れ替えてこのコードを用意すればOKです。

各種コネクタを繋ぎまして動作確認、いい感じですね。

手持ちなのでブレブレなのはご容赦下さい。

クライアントへ返送するため運送会社に持っていったのですが、内容品が伝わらず往生したのはまた別のお話。

出来上がり

クライアント宅にて幕が取り付けられた様子。

寝台特急 富士号、一時期 営業距離最長を誇っていた特急列車ですね。

東京と大分を行き来する特急列車が毎日走っていたなんて、今思うと鉄道会社がかなり努力されていたのだと感じます。

蛍光灯も点灯して、幕を回して頂いた所です。

ほそプラネット本拠地が香川県の高松市ということで、寝台特急 瀬戸号「高松」表示を頂きました。

こちらはかろうじてサンライズ瀬戸号として生き残っていますね。

語ると長くなりそうなので手短に。

なお、貴重品は可能な限り原型を留めておきたい精神があるので、配線の切った貼ったは行っていません。

端子の移動は行いましたが、その他はオリジナルのままです。

以上、こんな事も出来ますよアピールでした。

正直プラモデルを組むより楽でした。

では。


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