どうもこんにちは。
今回からご依頼品のⅣ号戦車D型を製作していきます。
トライスターという香港に存在したメーカー製で、設計陣の愛と気合がバチバチに入ったキットです。
残念ながら潰れてしまったようですが…。
金型自体はホビーボスに引き継がれ、改修された後に現在でも生産されています。
今回製作するキットも「ドイツⅣ号戦車D型/潜水戦車」として発売されているので参考になればと思います。
キットをみる
まず目に入ったのが「設計:富岡 吉勝」の文字。
AFV界隈では著名な方で、資料本を買ったら(著)に書いてある率が半端ない、そのような方が設計されたキットになっています。
ガンプラでいうところのVer.Ka的な
パーツリストです。
こちらの解説書、誤記が多く、またランナーの封入数がバラバラだったそうで、発売時には物議を醸したそうです。
今回お預かりしたキットでは、S2ランナーが所定2枚のところ6枚、Eランナーが所定6枚のところ5枚となっていました。
多いのは良いとして、少ないのはマズイのでは…と思って焦りましたが、ホビーボス製(トライスター改)のキットを見ると、どうやらEランナーは5枚が正しいようで、なんとかなりそうです。
ホビーボス製ではWランナーが1枚減らされて4枚となっています。
これはランナーが改修され、パーツ構成が変更されたので減ったようです。
なお正誤表が公式HPにある、という情報を得たので調べましたところ、どうやら過去に存在した公式HPで配布されていたようです。
現在は閉鎖されておりますので当然入手出来ませんでした。
余談ですが「TriStar Model」と検索を掛けたら出てくる「ロッキード L-1011 トライスター」、読み方の「エルテンイレブン」といい、ふそやんが大好きな機体です。
選択式パーツ
このキットでは一部パーツを差し替えて、お好みの車両を作れるよう配慮されています。
非公式のモノもありますが少し紹介します。
エラソーに書いていますが専門家では無いので詳しくはご自身で調べて下さい。
※間違えていても責任は取りません。ご指摘あればください。
サスペンション部分
①ボギーマウントキャップ
キットでも案内されているように3種類から選択できます。
恥ずかしながらここに個体差があることを知りませんでした。不覚。
お得意のネットサーフィンで調べたところ
- S1-10(S1-9)がJ型後期
- S1-16(S1-17)がA-H型
- S1-18(S1-19)がH-J型
に使用されていることが多い?ようです。
②転輪ハブキャップ
キットでは案内されていませんが、初期型用と中期型用から選べます。
実物はサイズが違う(ハズ)のですがトライスター製は全て同じ直径のよう。
③板バネ覆い
こちらも案内されていませんが選択できます。
キット指定ではA-F2型に使用されているものが、余剰でG型以降に使用されているものが入っています。
砲塔部分
④砲身ディフレクター
ある状態・ない状態を選択できます。
キットのモデル車両はすべて”あり”状態です。
⑤キューポラ装甲
開閉選択できます。
組み立て開始
まずは定石通りに転輪から。
ゴム部分が別パーツになっているので塗装が少し楽になります。
相変わらずⅣ号戦車、というよりドイツ戦車は転輪が多いので大変です。
パーティングラインはルーターを使用して刈り取っていきます。
100均で売っている先細りのバフアタッチメントに転輪を突き刺して回転させ、そこにヤスリを当てるだけでドンドン刈り取れます。
真円を崩さずにヤスリ掛けするのは困難なので、転輪はいつもこの方法です。
起動輪・誘導輪は特に注意点はありませんね。
左右でズレが無いよう注意しながら組むだけです。
ちなみに上部支持輪は後期型用のものも入っています。
が、対になるパーツが入っていないのでそのままでは使えません。
車体の歪みに挑む
このキットの特徴でもある”歪み”。
箱にギッシリパンパンに詰められた影響なのか、成型時の不良なのか…。
車体下部パーツがえらく反っています。
ここは無理やり組むと経年で割れる可能性もありますので、ドライヤーを駆使してしっかりと矯正させます。
温めすぎて溶かしてしまわないよう慎重に捻じ曲げました。
ホビーボス製では歪みが解消されている様なのでドライヤーの出番はありません。
ある程度歪みを矯正し、側面を組みました。
まだ少し歪んでいますが、この程度であれば許容範囲内でしょう。
車体後部パネルに注意
ここはこのキットの地雷とされています。
なんの事はなく、ただ側面と肩を並べるように接着すれば良いんですが…。
「ここやで(トントン)」と言わんばかりに「ー ー ー」のモールドがあります。
しかし見ると分かる通り、実際の接着位置とはかけ離れています。
このモールドは補強か何かなんでしょうか?
謎です。
車体下部パネルにも注意
後部の下側につくパーツ(A-13)なんですが、指示位置っぽいところに合わせたのが上画像です。
「ここじゃないで」と言わんばかりの隙間が出来ています。
じゃあすっぽりハマる位置は…と当てがってみたのがコチラ。
素敵空間は無くなりましたが、どう見ても穴がズレています。
この穴は牽引ホールドが刺さる穴なので、上下に揃ってないといけないのですが…。
ということで、これでもかと削りまくって調整しました。
先輩モデラー諸兄は特に気にせず組んでいるようでしたが…作っているものが違うんでしょうか?
裏側です。
ここも0.5mmほど浮いてしまうので調整しました。
Ⅳ号戦車の裏側なぞ見たことがないのですが、明らかに不自然な穴が空くので、恐らくこれが正解かなと思います。
サスペンション基部を取り付ける
ここも一点、些細なことですが。
車体側の穴は2つ、サスペンション基部パーツのダボが3つあり、そのままでは接着できません。
真ん中のモールドが不要なのでニッパーで切り落としておきましょう。
ちなみにこのパーツにも後期型用が入っています。
ボルトの数が減らされているのが特徴です。
ボルトを生やす
起動輪基部も気合が入っています。
ボルトが別パーツになっているので1つ1つカットして取り付けます。
パーツと言って良いのかどうかよく分からないパーツ(E-6)はデザインナイフで削ぎ取って所定位置に接着します。
サスペンション基部の裏にも大量に生やします。
サスペンション1つに対し2個、計16回ほど”カットして整えて接着”を繰り返します。
なかなか大変な工程ではありました。
今回はここまで
愛をプンプコプンプコ匂わせてくれるキットだからか、やたら気合の入った記事になってしまいました。
しかしまだ説明書の2/15しか進んでいません。
今後は「×16」や「×8」などという数字は無くなるのでペースアップ出来るかな、と思います。
思っているだけです。
では。
【今回のキット】